廃墟の美
昨今、廃墟探索ツアーなるものが人気を伸ばしているようです。
日本のみならず「廃墟マニア」というのは世界共通なようで、WEBサイトや書店にも廃墟をテーマとしたものは意外に多いものです。
廃墟マニアにも趣向を対象とするものはいろいろとあり、廃止されたテーマパークや廃止された鉄道や駅、
廃校というのも人気で中には集落そのものの「廃村」というのも探索ツアーがあるほどです。
廃墟というのは、手つかずになった、いわば見捨てられた建造物などです。
その佇まいにはどこか切なさやノスタルジーを感じるものです(個人的な意見ですが)。
どんなものにも最盛期という時期があり、そこには活況があり生活があり夢がありました。
栄枯盛衰ということばがあるように、盛者必衰というものでしょうか、
かつて栄えたもの必ず衰え滅びゆくというのは世の無常。
われわれ日本人が、桜が散るのが美しいと感じるのも、そこに散りゆく美学なるものを覚えるからでしょう。
廃墟にはどこか懐かしさを覚えます。流行りものを追いかける現代において、廃墟の中にどこか親近感を覚え、遠い昔の記憶、
子供のころに遊んだあの風景・・・といったものが蘇るのではないでしょうか。
「廃墟マニア」というのは一昔前には本当に限られた存在でしたが、最近では世界遺産ブームと言いますか、
2015年にユネスコの世界遺産として長崎県の端島(通称「軍艦島」)や群馬県の富岡製紙工場などが登録されて、
一般の方々にも「廃墟」に対する興味が広まったように思われます。
かく言う私も廃墟や廃線を訪ねるのが好きで、まとまったお休みには北海道の廃線などを訪ねたりします。
廃墟を訪ねることは、遠い記憶を訪ねることに限らず、古き佳きものの中に自己を顧みて未来への糧を見出すこともあるものです。
(日本には)「温故知新」という言葉があります。
古きものに触れていく中で新しい考えや知恵を学ぶことができる。
世界遺産に限らず、人知れず佇む廃墟にも何か大切なものを忘れてしまった私たちに伝えようとしているものがある、
そんな感じを覚えます。個人的な意見ですが。。。^^